Artistree CAFE
西新橋のビジネス街の一角にある「Artistree CAFE」。2014年5月にオープンし、平日は近隣の会社勤めの方々に憩いの場として親しまれているという。
木の質感が感じられる落ち着いた雰囲気の店内は、アメリカ西海岸のテイストをイメージしてデザインされたものだという。多くの方々に居心地の良い空間を提供するため、ディテールに至るまできめ細やかな配慮が反映されている。
正面カウンターのロゴも手作りだというこだわりぶり。百瀬氏がロゴを筆記体でデザインした際、製作時の大変さから社員たちに怒られたという逸話があるとか。その苦労が実り、店内でも一際目を引く象徴的な空間に仕上がっている。
カウンター上には、同店で提供しているコーヒーに合うようにこだわって作っているという自家製のベーカリーが並ぶ。
テーブルをはじめ各所に使用されている木材は、ペンキ塗装の足場などに使われていた古材を再利用したもの。こうした素材の調達や加工は社員たち自らの手で行ったという。インテリア製作も一部手掛けており、手作りの風合いが店内の内装ともマッチしている。
ペンキ塗装の足場だった古材を活用して手作りで作ったという大きなテーブルには、各所にその名残が見られる。こうした痕跡をあえて残しているのも非常にユニーク。
店内の照明は同店の代表である百瀬氏の友人で、照明デザイナーの武石正宣氏がコーディネートを担当している。柔らかくも力強い明かりが、室内に温かい印象を与える。照明を支えている滑車も全て海外で買い付けたというこだわりの品。
カフェとゴルフのフィッティングスタジオを隔てる壁には、アメリカで探し出してきたというトタン風の素材が使用されている。木材や金属といった異なるマテリアルの組み合わせも、店内のデザインに上手く取り込まれている。
アイランドタイプのキッチンには、裏側にもカウンターが備えてある。そのカウンター上部の木材にはオリーブオイルが塗り込んであり、通常のワックスなどとは異なる独特の質感と風合いが出るのだとか。窓側に面したカウンターにも可愛らしい席が数席用意されている。
手作りの棚にはカフェで取り扱っている商品が陳列されている。「JH Coffee」のコーヒーをはじめ、「Poco Dolce」のチョコレートや「Little Flower Candy」のマシュマロ・キャラメルなど、いずれもここでしか入手できない貴重なアイテムばかり。
店内奥に設けられている洗面所は、閉鎖された空間にならないようあえて頭上に“抜け”の空間を作り、取っ手部分の部品も強度を考慮し、本来の用途とは異なるパーツを改造して据え付けたというこだわりぶり。このトイレピクトも手作りなのだとか。
女性用洗面所内は、白を基調とした非常に清潔感溢れる空間に。洗面台には小さなタイルが敷き詰められており、とても可愛らしい。
カフェに併設されている「NAKASHIMA GOLF STUDIO」の入り口。中では専任のフィッターと一緒に、自分のプレイスタイルに合ったゴルフクラブを調整することができる。ゴルフのフィッティングスタジオとカフェという不思議な組み合わせも同店ならでは。