合同会社DMM.com VPoE 大久保寛さん − CTO・VPoEの二頭体制で築かれる開発組織の魅力。「何でもやってる会社」の強みとは

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合同会社DMM.com は、アニメやオンライン展示会の主催、救急車・消防車などの特殊車両の開発、水族館運営、サッカークラブ経営など、じつにさまざまな事業を展開しているビッグ・カンパニーだ。

同社に対して、扱える事業の規模や事業内容の面白さに魅力を感じる読者諸氏も多いだろう。しかし、同社の開発組織に的を絞ると、また違った側面が見えてくるのではないだろうか。

WALLでは、DMM.com でVPoEを務める大久保寛さんにインタビューを実施。日本ではまだあまり馴染みのないVPoEという役職について、また開発組織の体制、同社でエンジニアとして働く魅力などについて聞いた。

開発組織、雰囲気は“カオスっぽい”? VPoEという役職の意義

──DMM.com の開発組織について教えてください。

それぞれの事業部で完結できるような組織体制を作っています。つまり事業部は、事業を営む上で必要な職種の人たちが集まっている集団です。そこには営業や企画、そしてエンジニア、デザイナーなどが含まれています。

会社全体としては、それぞれの事業部を縦の組織とすると、人事や総務、会員基盤などのプラットフォームを管轄する部門などの横断組織がある、といった組織構造になっています。

──開発組織全体の雰囲気は。

年齢層や所属する部署によって雰囲気は異なるのですが、さまざまな人がいるという意味で、カオスな印象を受けると思います。

私が入社したときには、若い方たちが意欲的で、少し刺激したらどんどん良くなっていくなと感じたのが最初の印象です。

一方で、最近では40代くらいの方でも「バリバリ手を動かしていきたい」という人が徐々に増えてきていて、嬉しいなと思います。

ちなみにエンジニア組織の平均年齢は35歳になります。

──大久保さんの“VPoE”という役職にはどのようなミッションがあるのでしょうか。

DMMの開発組織は、CTOの渡辺とVPoEである私の二頭体制になっています。

そのため、まずCTOとの対比で考えると一番分かりやすいかなと思います。

「CTO」と聞くと、みなさん「技術を扱う人」というイメージを何となく持たれていると思います。ですが、技術は技術だけで完結するものではなく、技術を使う人が存在します。そこにフォーカスを当てたポジションが、VPoEになります。

より具体的に言うと、それぞれの事業部への適正人材の見極めや、常に変わりゆく技術を組織内でどう反映していくかなどを考えるのが、VPoEの役割です。

ですが、実際には2つの役職にあまり明確な線引きはなく、ともに「現状の1人が出せる成果が1であれば、それを1.1にするにはどうすればいいか」を常に考えています。

弊社はかなり人数が多く、CTO1人でできることにはやはり限りがあります。そうした中で、CTOとVPoEに役割を分けようとなったときに、「2人とも言っていることは同じだけど、社員には違うように聞こえる」ことが起きるのはまずいと考えていました。

そのため形式上、技術はCTO、技術以外の組織や制度の部分はVPoEとすることにしました。

──実際の現場では、CTO・VPoE それぞれの意見や指示に相違が生じるといったことはないのでしょうか。

渡辺(CTO)とあまり意見がぶつかることってないんですよね。そこに行き着くまでのルートが多少違うことはあっても、結論は大体いつも一致します。

また、私はあえて技術のことは口に出さないようにしています。それはCTOも然りなのですが、お互いが会話をする時間は定期的に設けているので、その際に「あのときの判断ってこうだよね」という答え合わせはします。

私もエンジニアの時代に、上の方たちから異なることを言われて困った経験が何度かあるので、社員には同じ思いをして欲しくないと思っています。

自分のやりたいこと、技術的好奇心が9割でもいい。但し残りの1割は──

──開発組織の採用面接はどのように進んでいくのでしょうか。

一次面接では、まず技術面を主に見ています。二次、三次面接では人柄や内面的な部分により焦点を当てています。DMMのカルチャーにマッチするかを判断するために、その人の思考の部分も理解しないといけないなと思っています。

ちなみに私は、主に最終の面接を担当することが多いです。

──選考にプログラミングのテストは含まれますか。

テストは基本的にはしていないです。時期によっては、試しに行うこともあります。

プログラミングのテストをすると結構時間がかかってしまい、そうすると候補者から「早く結論を出して欲しい」と言われることも多々ありました。

そのため、候補者との歩調を合わせるためにテストは省き、代わりにその方によりフォーカスした内容でコミュニケーションを取るようにしています。

──若手や、エンジニアとして経験値の浅い候補者に対しては、どういったところを重視して見ていますか。

若いうちは色々なことに興味を持つのが自然で、自分のやりたいことや好奇心を優先するのって当たり前だと思うんです。そのため、エンジニアという職業を目指す方であれば、技術的好奇心などは会社側が受け入れるべきだと思っています。

私も若い頃に、組織に貢献することを最優先に考えて仕事をしていたかと言われるとそうではない部分も多くありました。なので、自分ができなかったことを今の若い方に求めること自体間違いだと思っています。

ただ、たとえ技術的好奇心が9割でも良いのですが、残りの1、2割で「その技術を使って誰を喜ばせたいのか、誰にありがとうと言って欲しいのか」、という思考がある人は活躍できる方だなと感じます。その1割、2割の思考は、少しずつ広がっていけばいいと思っています。

──DMM.comという大きい組織体の中で、開発組織として新しいことにチャレンジする機会はありますか。

あると思います。ただ、それぞれの事業部がそのときの最適な人数で運営しているので、完全に新しいことを始めるとなると、そもそも採用からスタートしているパターンは結構多いです。

社員に提言する前に「まず自分ができているのか」を常に考えている

──組織運営をする上で意識されていることはありますか。

私はVPoEになってから「まず自分からどうにかしていこう」という話を積極的に発信しています。そのため、この言葉に納得感を持たせるために、私自身が変わっていく姿を見せようと常に意識しています。

極論を言ってしまうと、みんな何もしたくないと思うんですよ。働かないで好きなことだけして生きていけたらそれが一番いいに決まってます(笑)。とは言え現実的にはそういうわけにはいかないので働くとなったときに、どんなに前向きに働いている人でもどこかで惰性が出てしまうと思います。

そのときに、その「惰性」を認識した上で自らを改善し続けられることが重要だと思っています。

これは言葉で言うのは簡単ですが、「変化し続ける」ことを求められ始めたのは人間の歴史から考えるとごく最近のことであり、実践するのは非常に難しいことです。

そのため、自らが率先して変わっていくことで「変わるといいことがあるよ。だからみんなも変わっていこう」と言うべきだと思っています。

まとめると、みんなに何か意見を言うことよりも、その前に「まず自分がそれをできているのか」を非常に重視して考えるようにしています。

──一社員が、VPoEである大久保さんやCTOの渡辺さんなど上層部の方に意見や提言をすることはできますか。

はい、私としては意見の中身よりも、言ってくれたその行為自体を非常に嬉しく思います。上層部が誰からも何も言われなくなるのが組織として一番良くない状態だと思っていて、意見を言いやすい雰囲気にするよう意識しています。

また、もしその意見に対して「これは難しい」と感じた場合には、「なぜダメなのか」という理由づけをきちんとするようにしています。その理由に納得感を持たせられるかは非常に重要だと思っています。

改めて言うと、私としては意見をくれること自体は非常に有難いことだと思っています。

──DMM.comで働くことの魅力は。

世代によって結構変わってくるかなと思います。若い方に関しては、かなり手広く事業を推進しているので、「なんでもやっている会社」であることがアピールできるポイントです。好奇心の強い方であれば、必ず面白いと感じるものを見つけられる環境にあると思います。

また、「次のフェーズに行きたい」となったときに、転職という選択肢ではなく「社内で他にやりたいことを探せる」のはかなりメリットだと思います。

それ以外の方たちに対しては、「どんなに年齢が上がったとしても、自身で手を動かして活躍できる場が弊社にはある」ことをDMMの開発組織の魅力としてお伝えしたいです。

年齢に関係なく「自分で手を動かしていきたい」と考える方は一定数いると思いますが、そういった方たちを受け入れられる環境は日本ではまだあまり多くないと思います。弊社では受け入れる体制がありますし、どんなに年齢が上がったとしても、手を動かせる人は手を動かすべきだと私は思っていて、年齢や性別など自身の属性に関わらず、弊社に興味を持っていただけたらぜひチャレンジして欲しいなと思います。

合同会社DMM.com VPoE 大久保寛さん

新卒でSIerに6年勤務。その後、2005年にカカクコムへ入社し、約12年の在籍期間でエンジニアとして同社が運営するサービスをほぼ経験、事業責任者や子会社CTOを歴任。その後、メディア系ベンチャーにてCTOとCFOを兼務。2019年より合同会社DMM.comに参画。

インタビュー・文:koko

写真:中井和味

会社情報

会社名

合同会社DMM.com
本社所在地
〒106-6224 東京都港区六本木三丁目2番1号 住友不動産六本木グランドタワー24階
最高経営責任者
亀山敬司
VPoE

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