WALLが掲載する、ITエンジニア企業の第一線で活躍するCTOたち。彼らはなぜエンジニアの道に進むことになったのか、これまで続けてこられた原動力は何なのか。
そのキッカケや理由を知ることで、エンジニアという職業の意義や価値について、再確認する良い機会となるのではないでしょうか。
今回は、IT業界最前線を行くCTOたちに「生まれ変わってもエンジニアになりたいか?」「エンジニアを辞めようと思ったことはあるか?」など、さまざまな切り口から質問を投げかけてみました。
いまが一番楽しい。だがもし転生できるなら──
株式会社ミクシィ 取締役CTO 村瀬龍馬さん
――村瀬さんがエンジニアになったきっかけは何だったのでしょうか。
小学校の頃から「友達や家族が夢中になって楽しんでいるゲームを作る人になりたい」と思っていました。
そこからプログラミングの知識を得て、いつの間にかコードを書くことが好きになりました。
課題解決やものづくりを通して、会社や世の中の出来事を少しでも良くしていくきっかけを作ることに楽しさを感じて、今に至ります。
――エンジニアを辞めようと思ったことはありますか。
ありません。いまが一番楽しいです。
――生まれ変わってもエンジニアになりたいですか。
もし現代に転生できるのであれば、エンジニアという職業に就くかどうかはわからないですが、何かあったら自分で動くことができる・作ることができるスキルとして、プログラムを組めるようにはなりたい、と思います。
――その理由はなんでしょうか。
エンジニアリングは、ただ単に「プログラムの能力をもって作る」というだけではなく、組織や仕組みの中で働くときに必要な考え方や動き方も身に付くもので、その力は多くの職種で応用が可能だと思うからです。
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エンジニア以上に自分に向いている職があるとは思えない
株式会社マネーフォワード 取締役執行役員 D&I担当 CTO 中出匠哉さん
――中出さんがエンジニアになったきっかけはありますか?
大学時代のアルバイト経験がきっかけです。
当時、家庭教師のアルバイトをしていたのですが、将来的に「手に職」というレベルのスキルが身につく仕事はないかと考えていました。
もともとプログラミングには興味があったのでチャレンジしてみようと思い、求人情報誌で未経験可のアルバイトを探して応募し、そのうちの1社に採用いただきました。
プログラマーの仕事は、大学で学ぶどの学問とも異なる面白さがありましたし、ありがたいことにスキルについても評価をいただけていたので、この道でやっていこうと決めて大学を中退し、キャリアがスタートしました。
――エンジニアを辞めようと思ったことはありますか?理由があれば教えてください。
一度もありません。
エンジニア以上に自分に向いている職があるとは思えないからです。
ときには苦しいこともありますが、ゼロから開発している時の充実感や、サービスを無事にローンチできたときの達成感は何物にも代えがたいです。
――生まれ変わってもエンジニアになりたいですか?
なりたいです。
ただ次は、エンジニアに至るまでのルートはもう少し最適化できるかもしれません。
例えば、高等専門学校で専門性を身に着けてから大学でコンピュータサイエンスを勉強し、グローバルに活躍するために英語も習得しておく、など。早い段階でエンジニアを志していればこその選択肢もあったのかなと思います。
――その理由を教えてください。
性に合っている、という一言に尽きます。
一日中こもってコードを書いていても苦になりませんし、そこでアウトプットしたものが評価され、ユーザーが喜んでくださることに幸せを感じます。
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→ マネーフォワード 中出匠哉CTO「スピード重視のスモールチームでチームワークを重視する」
いわゆる製造業とは異なる“モノづくり”の楽しさを知った
株式会社アダストリア 執行役員 DX戦略部長 櫻井裕也さん
――櫻井さんがエンジニアとなったきっかけは何でしょうか。
学生時代にゲーム制作を行ったのがきっかけです。
いわゆる製造業とは異なる“モノづくり”に非常に楽しさを感じ、エンジニアの道に進みたいと考えました。
――エンジニアを辞めようと思ったことはありますか?
ないです。
――生まれ変わってもエンジニアになりたいですか?その理由も教えてください。
なりたいと思います。
テクノロジーが常に進化していく。これほど刺激のある世界は他にないと感じています。
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→ アダストリアDX戦略部長の櫻井が語る“遊び心を持ったエンジニア組織”とは。
できる限りエンジニアを続けていきたい
株式会社SmartHR 取締役 兼 CTO 芹澤 雅人さん
――芹澤さんがエンジニアになったきっかけは何でしょうか。
子どもの頃からパソコンが好きで、中学時代には独学でプログラミングを学び、ゲームを作って遊んでいました。
大学時代はプログラミングから離れていましたが、就職活動を始めた頃にスマートフォンが普及しはじめ、ウェブに将来性を強く感じたことをきっかけに、エンジニアとしてIT業界に関わっていくことを決めました。
――エンジニアを辞めようと思ったことはありますか?またその理由を教えてください。
辞めようと思ったことはありません。
エンジニアリングによる課題解決は常にやりがいがあり、楽しいと感じます。
業界の進歩が早く、やりたいことが尽きないことや、世の中にはまだまだテクノロジーで便利にしていける伸び代がたくさんあることなど、できる限りエンジニアを続けていきたい、と思える要素の方が多いです。
――生まれ変わってもエンジニアになりたいですか?
生まれ変わった先がどういった世界かによると思います。
前提として、「難しい課題を解決すること」と「それによって人に喜んでもらうこと」を働くモチベーションとしており、私のいる環境においてそれを効率よく満たす手段の1つがエンジニアリングだと思っています。
生まれ変わった先の世界で、引き続きエンジニアリングがその手段として適切であればやるかもしれませんし、別の何かがあればそちらをやると思います。
芹澤さんに株式会社SmartHRの開発組織や大切にしている思想などをお伺いしたインタビューはこちら
→ SmartHR CTO 芹澤雅人インタビュー – “納得感のあるモノづくり”ができる環境を。
エンジニアは目的を達成するための「手段」
株式会社エウレカ 取締役CTO 金子慎太郎さん
――金子さんがエンジニアになったきっかけを教えてください。
機械を分解したり、組み合わせたり、作ることに興味を持ったことがきっかけです。
システムエンジニアではなくソフトウェアエンジニアになったのは、手段が違うというだけで、きっかけはやはり「作る・壊す・直す」が楽しかったからだと思います。
――エンジニアを辞めようと思ったことはありますか?
特にないですね。
――生まれ変わってもエンジニアになりたいですか?
何かを作ることに対して興味があるので、特別エンジニアでなくてもよいと思っています。例えば、ケーキ職人なども興味があります。
それは、職業は手段であり、目的は何かを形作りたいところにあるからです。
金子さんに株式会社エウレカの開発組織や大切にしている思想などをお伺いしたインタビューはこちら
→ エウレカ金子慎太郎CTOにインタビュー - “平等に”ではなく、“公平に”挑戦する機会があるエンジニア組織
エンジニアリングは、自分の生き方に合っている
株式会社Showcase Gig 取締役CTO 石亀 憲さん
――石亀さんがエンジニアになったきっかけは何だったのでしょうか。
高校時代にハイパーカードに夢中になったことがきっかけです。
それまではゲームソフトを買ってきて遊ぶだけだったのが、ハイパーカードを使用すれば自分でゲームの制作ができるということで、当時としてはとても画期的でした。
※ハイパーカードとは、ハイパーテキストを実装した最初の商用ソフトウェアのこと。内蔵されたスクリプト言語ハイパートークを使用してドキュメントの作成やデータベース構築に利用でき、ゲームの制作、簡単なプログラムの開発等に用いられた。
――エンジニアを辞めようと思ったことはありますか?
ありません。
エンジニアリングのアウトプットは自身の考えを表現できるので、自分の生き方に合っていると感じています。
――生まれ変わってもエンジニアになりたいですか?理由も教えてください。
エンジニアになりたいかはわかりません。
エンジニアは課題解決ができる職業で、その点に魅力を感じていますが、生まれ変わったときに時代も変わっている前提だと、他にも課題解決ができる職業や手段があるかもしれないと思うからです。
石亀さんに株式会社Showcase Gigの開発組織や大切にしている思想などをお伺いしたインタビューはこちら
→ 株式会社Showcase Gig石亀憲CTOにインタビュー - 成功パターンがないからこそ作っていくのが醍醐味
――――――
今回お話をお伺いした方々は「何を仕事にするか、仕事で何をするか」よりも、「仕事にどう向き合うか」が重要であると心得ているのだと感じました。
「いまが一番楽しい」――そう思える環境を、仲間を、多くのエンジニアの人たちが手に入れられることを心から願います。
執筆者:
koko
大手経済誌Web編集部門所属。主に政治・経済系記事(著名人取材、ビジネスマインド、国際情勢等)の企画作成からリサーチ、取材、執筆、校正・校閲まで行っております。
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